「創作の話をするお友達ができて、死ぬほど嬉しい」
by 草群鶏
2020年の創作活動は、とにかくこれに尽きます。
長い話になりそうなので(いつも)、まずは箇条書きで振り返りを。
2020年の活動実績
■企画参加関連
- Twitter300字SS 皆勤賞+自主練
- レトロ印刷アンソロジー「あなたのベスト3を教えて下さい」
- 300字トラベルアンソロ
- ぷちヘキ企画「お湯を沸かすシーン」
- おうち de ちょこ文 折本フェア内企画「夏のおいしいもの特集」
- ペーパーウェル05「旅」
- #web夏企画「あの夏を幻視する」
- テキレボアンソロ「手紙」
- 300字ポスカラリー「よそおい」
■即売会イベント(オンオフ問わず)
- 異文化恋愛同好会β
- コミックアーティナル03
- 文学フリマ東京
- Text-Revolutions EX2
■新刊
- あいしかたがわからない
- 魔法使いの弟子
- 銀杏堂異聞
ぎえー、今年は書いたな!!
2020年 大きな変化
本を作ってイベントに出始めたのは2018年の文フリ札幌からなんですが(最近)、
当時はバイト先の仲間を無理やり引き込んだにわかサークルで、
なんとか本の形にした話を携え、
アピールどころか自分が何書いたのかもよくわからないまま当日を迎える、
みたいな
自己紹介すら危うい状態でしたので、今思えばものすごく卑屈な姿勢で創作世界に関わっていたように思います。
こつこつと活動を積み上げてきた方々と、同じ目線、同じ土俵でお話しできると思ってなかった。
必然的に引きこもりがちになるんですよね、基本、ひとりぼっちで書く。
友達は欲しかったけれど、へたくそなのを見られたくないので(イベント出てるくせに)声高らかに名乗りを上げられないんですよね。
ちっちゃいプライド。
ばかだねー。
2020年、奇しくもコロナ禍が転機になりました。
私の職業はざっくり言うとお店番なので、お店が休業せざるを得ない=自宅待機となりまして、ぽっかり時間ができてしまったんです。
ありがたいことに生活は保障されていて、ただ自由な時間だけが増えたので、今まで入ってこなかった情報に手が届くようになりました。
それで創作が捗ったかって?
そうじゃないんですよねー、根が怠惰なので。
生活リズムが崩れてしまって、ぼんやりした時間ばかりが過ぎていきました。
なんかしよう、という気持ちだけが上滑りする。変なストレスたまりますねあれは。あるていど時間に制限があるって大事なんだなと痛感しました。
このままではいかん。
自分のダメさを思い知ったので、参加できそうな企画にどんどん手を挙げて、外から負荷をかけてもらうことにしました。
主催の方々はTwitter等で以前からお見かけしていて、仲良くなりたかった(まずは認知してもらう)という下心もあり。
掌編・短編をどんどん書いてリズムを作りたいのもあり。
題して「短編武者修行」。
これがいい訓練になりました。文章を書くことと、自意識の蓋を開けることの。
企画参加関連
●Twitter300字SS(通年)
「何があってもこれだけは参加する」と固く心に誓って、すべてのお題で書くことができました。
感想をいただいたり、自主的に裏テーマを設定する仲間(とり仲間)ができたり、瞬発力が要求されるぶん自分の癖を自覚するきっかけになって、とてもありがたかった。
本当に、いつもありがとうございます。
過去に書いたものは画像にして当サイトトップから見られます、よかったらどうぞ。
おっ、弊社面白いことやってるじゃん、ということで挙手。
お題が「なんでもベスト3」でしたので、「みちくさ」と題して野の草花のことを書きました。
かたくなに、雑草と言いたくない。
参加者が自由に紙とインクを選べるという、印刷・組版・製本上めちゃくちゃめんどくさい企画で、あとできいたら案の定めちゃくちゃ大変だったらしい。
持ってる人はページをめくってみてください。印刷サンプルとしても面白いと思います。
この企画のみならず、存続の危機にあった弊社をたくさんの方に支えていただきました。
その節は本当にありがとうございました。
■参加作品:「みちくさ」
「300字あればどこにでも行ける!」っていうキャッチがまず素敵。
印刷所応援や日本赤十字社への寄付といった目的と、でも義務感ガチガチじゃない感じがとても居心地良くて、参加していてとても楽しかった。
「旅」がテーマだったので書きたいこといろいろありましたが、あえて架空の、ふしぎな旅の話を書きました。
BOOTHで入手可です。仕様もめちゃくちゃ豪華なので、よかったら。
■参加作品:「地底行」
●ぷちヘキ企画(6月)
いま振り返ると無謀だったな……
「お湯を沸かす」シチュエーションで掌編を書いて、文にあらわれる「ヘキ」から誰が書いたか当てよう、って企画なんですが
そもそも交流のある方いなかったんじゃないかな私……
よう手挙げたな……
「小鍋のダンスホール」というちいさな話を書きました。お湯を沸かすシチュエーションというよりも、お湯が沸く光景そのものを描写するあたり、我ながらひねくれとんなーと思いました。
■参加作品:「小鍋のダンスホール」
●折本フェア(8月)
ちょこっと文芸福岡のweb開催版、おうち de ちょこ文の企画。
折本、つくるの初めてだったんですけど「夏のうまいもの」っていうテーマ企画にもまぜてもらって、おかげでたくさんの方に反響をいただきました。
自信になったなあ。
絵描きさんからも声をかけていただけて、仲良くなれたのがとても嬉しかったです。
あと、いつもはふわっとファンタジーっぽいものばっかり書いてるんですけど、このとき初めて現代の普通の人たちを書きました。
「会話のテンポがよかった」っていう感想をいただくことが多くて、なるほど向いてる書き方ってこっちだったか、と気づくことができました。以来、ちょっと変な会話を書くことが増えました。
■参加作品:「なす」(夏のうまいもの)・「魔法使いの弟子」
大遅刻したけど参加してよかった。
「あの夏を幻視する」っていうコピーがまた素敵なんだけどね、
ちょうどこの時期ありとあらゆるスポーツ大会が中止になっていて、どうにもやりきれない気持ちでいたのです。ほんとうに、まぼろしになってしまった。
やっと試合ができても、「この場を設けていただいたことに感謝し」なんて言ってる高校生を見てると「あんたたちがそんなこと言わなくていいのよ」って悲しくなってしまって
いや完全に余計なお世話なんですが
なので、何の屈託もなく全力を尽くすことのできた人たちの話を書きたかったのです。
学生時代をともにした陸上競技を題材にしたこともあり、思い入れが強いぶんいろいろ詰め込みすぎてまとまらず、悩みたおして締切に遅刻。
きっとすごく偏ってるし、おそらくかなり好みの分かれる話でしたが、好きだと言ってくれる方がいてほっとしました。
他の参加者の方と文フリで会えたり、ツイキャスの打ち上げで大喜利状態になったのも楽しかったなあ。
世界を広げていただいた企画でした。丁寧な企画運営をすぐそばで見せていただいて、とても勉強になった。
■参加作品:掲載順85 「on your marks」
●ペーパーウェル05(11月)
ずっと参加したかったのになんかタイミングが合わなくてなかなか出せなかったペーパーウェル。
やっと出したぜ!!
テーマが「旅」だったので(えっ、もう今年書いちゃったんですが)って思ったけど今度は素直に旅行のことを書きました。毎度ひねろうとしすぎなのよあなた。
「なす」のコンビは書きやすくて便利です(べんりとか言うな)。
本当は、架空の国のスタンプがばりばり押してあるパスポートとかつくりたかった。架空の駅の切符とか。
■参加作品:「夜汽車にのって」
テーマ「よそおい」。
なんか勢いでテキレボ参加を申し込んだので(あんな爆速で参加枠が埋まると思ってなかった)、せっかくならテキレボに出す話の幕間を、と思ってぼんやり考えてたら、ちょうどいいカップルがいました。
いつもSS文庫ページメーカー利用してTwitter300字SSのカードつくってるけど、やっぱりいいよね紙。どっちかっていうとカードのデザインに熱中してしまった思い出。
ノーブルなかんじに仕上がったのでとても満足です。
■参加作品:衣装合わせ(魔法使いの弟子・幕間)
勢いで申し込んだので、テキレボのお作法(お作法?)がよくわかっておらず
アンソロ提出の開幕ダッシュを呆然と眺めていました。
4,000字……? よくわからん……
文字数規定のあるものは300字しかやってこなかったので、ボリューム感がぜんっっっぜんわからなくて、でもどうやら早く出したほうがよさそうだし、結果、新刊「銀杏堂異聞」につらなる連作掌編にしました。
いいかんじに新刊のイントロとして読んでもらえてよかったです。続きが読みたい、ってコメントももらえて、「あ、このままやっていいんだ」と思えました。
■参加作品:「扉の前」
ただひたすら便乗させていただいた一年……
っていうか実質ちゃんと書いてたの6月くらいからですね?
他の時間は一体なにしてたんだろう、と思ったら製本習いに行ったりしてました。
ところがこのあと、怒涛の新刊チャレンジが始まります。
11月以降、ほぼ毎回のイベント合わせ新刊。いやーしんどかった。
ペース配分って知ってる?
で、テキレボでまとめ企画主催することになるわけですね。
いろいろとがんばれたのはたくさんの企画に鍛えていただいたからです。
ありがとうございました!!
(ぜえ、はあ、まだ書きたいことあるんですけどそのうち書きます)
(たぶん続きは草群のダークサイドが出ます、怖いと思ったらここで止めといてね)